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針金の骨の魚は逃げる
皮をむいた もう茶色のリンゴが
ピンで刺された穴の目で
見ていた景色が沈む
いらなくなった街の中心の時計台は
絡む蔦の下で
此方の海の落ちる場所へ
飛び立つ時を待ちわび
その地平面を越えてしまったら
ひとかけの光も戻って来れはしない
燈心草がほの白くさやぐ
貯水池の地下で動き始めた
錆びた歯車きしませて
街が箱舟に変わる
さあ 街燈を灯せ
碇をあげろ
流れていく天の軌道に乗るんだ
あの地平面を越えて彼方へ
全てを連れて行こう
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羊雲の上に浮かぶ 見えない街には
歌うようなささめき
風を編むざわめき
生まれたことさえ誰にも気付かれない街
そして消えていく
音も立てずに
静かな眼をした子ども
逃げ込む路地裏 覗けば
そこから崩れていく
雲のモザイク
羊雲の上に浮かぶ 見えない街から
手紙を入れた小瓶を落としたのは誰
それは地上に着く前に砕け散るでしょう
そして広がって
夕日を染める
ユレルヨ ユレルヨ カゲロフ アカク
マボロシ マボロシ マボロシ ゼンブ
ユレルヨ ユレルヨ カゲロフ アカク
羊雲の上に浮かび 手を伸ばしたけど
届かなかった
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歩きなれた道 曲がりくねる
のぼりなれた坂 見慣れた看板
剥がれかけたポスター
ひび割れた煉瓦色の路地
家へ続く階段
人がいなくなってもやってくる朝
むかえる沈黙の町
子どもだった頃 かくれんぼ
秘密基地の奥に埋めたままの宝物
掘り返されるのを待ち侘び
蝉のように7年間夢を見る
今もそこに染み付いた匂い
ずっと忘れない
人がいなくなっても咲く露草の
囁きが聴こえる

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68段 階段をくだり右へ
銅(あかがね)色の扉の向こうでは
夜毎男達が机上の空論を
珈琲は冷め
幾何学的なデタラメが
ドーナツの屑と
妄想のプラネタリウムを作る
街ごと飛ばす計画だ
動力は 電気クラゲか
軍隊蟻か
時計台は秘密のエンジンだ
燃料は 電気ブランか
チヨコレイトか
隣の部屋では
医者にサジを投げられたM嬢を円卓に
乗せてまわしている
鍵穴から覗き見ては
図面に線を足していき
いつしか舟の形が描かれていた
それを素晴らしい絵だ、と、壁に貼ると
また論争は白紙から
街ごと飛ばす計画だ
動力は 電気クラゲか
軍隊蟻か
羽のある巨大な舟だ
燃料は 電気ブランか
チヨコレイトか
明け方近く最高のひらめきが
夢の中で弾け
目覚めとともに 全てを忘れ
男達は帰っていく
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お砂糖たっぷり甘いミルクが好きだって
いろんなことができるんだから!
あなたのおうちのポストの中に
いつの間にか入ってるのヨ!
おいしいモグモグくれなきゃイヤイヤ
シフォンシフォンシフォン
レモンシフォン☆
見せてあげない魔法のポシェットの中
七つ道具は誰にもヒ・ミ・ツ!
あなたがベッドに入ったあとに
こっそり媚薬をふりかけるのヨ!
こころはプルプル触っちゃイヤイヤ
シフォンシフォンシフォン
レモンシフォン☆
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おやすみ
今日は角砂糖を溶かしてあげる
ミルクにひとつ くるくるくる
おやすみ
今日は枕元に飾ってあげる
木の葉を7枚 くるくるくる
三日月は蒼いお魚の群引き連れて
行けるとこまで行こうとしてるみたいで
少しかなしい
おやすみ
今日は風が強いね
星の光がふるえているね
ゆらゆらゆら
おやすみ
今日の午後見つけた花が
明日も咲いているかな?
ゆらゆらゆら
おやすみ
明日目が覚めたら探しに行こうね
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